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北山 恵理

漢方薬って即効性がないの?

「漢方薬に興味があって・・・」「前から気になっていたのだけど入る勇気がなくて・・・」「ネットを見て・・・」

お客様が寿元堂薬局に来られるきっかけは本当に様々です。

ただ、寿元堂薬局に来られる方のほとんどが口にする言葉があります。

「漢方薬って即効性がないんでしょう?」

・・・っっ( ̄□ ̄;)!!

実は即効性がないわけじゃないですよ!

確かに、漢方薬の即効性を感じない方もいます。

しかし、漢方薬の即効性を感じる方もいます。

現に私自身、今年の4月に花粉症で滝のように流れていた鼻水が煎じ薬を飲んだ10分後には症状がピタっととまる漢方薬の即効性に改めて驚いた経験をしたばかり。

理屈じゃない漢方の世界で自分自身で漢方薬の効果を経験すると、何年経ってもなんとも言えない感動があります。

話が脱線しましたが、薬の即効性に関しては、効果をどのように定義するかによって話が大きく変わってきますので、お客様とお話していてズレを感じることが多いものの1つです。



薬の効果には一時的に症状を治める効果と、症状が表面化しないよう体を整える効果の2種類があると思ってください。

まず、一時的に症状を治める効果というのは西洋医学の薬の得意とするところですね!

高血圧で降圧剤を飲んだ時、一時的に血圧が下がります。

多くの方が「薬が効いた」と言えば、このような西洋薬の効き方を想像するでしょう。

ですが、この一時的に症状を抑える効果は、漢方薬も意外にあるものなんですよ。

西洋薬と比較すると、個人差もありますし、1服で変わる人の確率は低いと思いますが、1週間程度で何らかの変化がある方は少なくありません。

1週間程度の期間では即効性があるとは言えないと言われればぐぅの音も出ませんが、色々試してダメだった人が1週間程度で何らかの変化があることは結構早いのではないでしょうか。

それこそ、5年10年色んな病院で手を尽くして何ともならない方が、2~3ヶ月で何らかの良い変化があるのは大変な即効性だと個人的には思っています。

ただ、薬を飲んで一時的に症状を抑えている間に不都合な症状が出なくなってしまえばよいのですが、そうでない時も多いでしょう。

そんな時に必要なのは、漢方薬のもつ「症状が表面化しないよう体を整える効果」なのです。

ですが、今は西洋医学の治療でも治りにくい状態の人が漢方薬を利用することが多いので、この効果が安定して得られるようになるまでの時間を要する方がほとんどです。

漢方薬の服用が良いきっかけになって短期間の服用後に全く症状が出なくなったという方もいますが、割合としては少ないです。

2割もいないんじゃないでしょうか。

漢方薬を3年飲み続けてすっかり薬が必要のない体になった時、この「3年」を長く感じるのかどうか。

「漢方薬を3年飲んだ」というだけで「漢方薬はすぐに効かない」というイメージが強すぎて、「漢方薬だから即効性がない」「漢方薬だから長く飲まないと効かない」となってしまう。

でも、西洋医学に置き換えてみると・・・.

西洋薬を3年飲み続けて症状が現状維持。西洋薬をやめると不調が出てくる。

このような場合、「西洋医学でも長くかかる病気なんだな」と思う方はいても、おそらく「西洋薬は即効性がない」という結論に至る方は限りなくゼロに近いのではないでしょうか?

何年も慢性的な症状で悩んでいる状態を、数日~数週間で改善する傾向を探るということはかなり大変なことなのです。

「すぐに良くなりたい」という気持ちは十分にわかりますし、前向きな気持ちも大切です。

しかし、その気持ちが強過ぎても焦りを生んで悪循環に陥ってしまいます。

西洋薬でも漢方薬でも、効果の表れ方や、効果が表れるまでの期間を決めつけず、焦らず上手く利用しましょう。

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